ここ10年で急激な成長を遂げてきた中国経済。
人民13億人を抱えた「眠れる獅子」は完全に目を覚まし、政治的にも経済的にも大国の地位を確固たるものにしています。
近年、中国は国内総生産(GDP)で第二位だった日本を抜き去り、世界第二位の経済大国になりました。あと、中国の前にいるのは世界第一の経済大国であるアメリカだけです。
このアメリカの時代も長くは続かないのではないかという予測があります。
中国がこれまでのような年10%近い成長を続けていけば、2020〜2030年にはアメリカとの順位が逆転するというわけです。
あるいは、国債限度額を引き上げたアメリカの成長が鈍るため、2021年には逆転するという見方もあります。
ただ、これらの予測は「中国が引き続き成長を続けていけば」という前提の下での予測であり、楽観的である面は否めません。
なぜなら、今の中国の好景気は設備投資に拠るところが大きいからです。逆に製品の価格は低下傾向にあるため、最終的には品余りになることがはっきりしているからです。
近いうちに設備投資が頭打ちになると予測されています。そうなると、アメリカと順位が入れ替わる時期も予測が難しくなりますね。
アメリカと中国の貿易額は年3000億ドルにもなり、経済的な結びつきは日ごとに強まっています。
中国はアメリカ国債を最も多く保有している国なので、アメリカ経済が倒れると、中国も倒れる危険性があり、相互依存の関係になっています。これからも世界経済は両国の景気に大きく左右されることになるでしょう。