中国が世界の大国として経済に大きな影響を与えるようになってきたのは、ここ10年来のことです。
それに連動するようにして、中国へと進出する日本企業も増え続け、現在では中国へ出店したり、支社を持つことが普通の状況になってきました。いわば、中国ビジネスの裾野が大きく広がったのです。
ただ、もちろん中国と産業界の関わりは最近始まったものではありません。ここで少し中国ビジネスの歴史を振り返ってみましょう。
20年前まで、中国と日本産業の関わりといえば製造業でした。例えば、アパレルメーカーなどは豊富な土地と安い労働力に魅せられて中国に縫製工場などを作って、そこで製品を作っていたわけです。「メイド・イン・チャイナ」の服、工業製品は今でも非常に多く出回っています。
しかし、当時の中国とのビジネス関係は、あくまでも「雇用者」と「労働者」の形であり、対等なパートナーシップに基づくものではありませんでした。
中国が大国として成長するにつれ、中国国内でビジネスを行う日本企業が増えていったわけです。
「労働者」から「お客様」に替わっていったとも言えるでしょう。それで、製造業だけでなくサービス業や小売業の企業も次々に中国に進出するようになっています。
今や、株式上場をしている企業だけでなく、中小企業の中にさえ中国進出を図る企業が続出しています。
もちろん、それに伴って中国語が操れる人材の需要が増しますから、実力のある人にとっては仕事がしやすい時代に入ってきているのです。